近年コンタクトレンズの使用者に増えている目のトラブルにアカントアメーバ結膜炎がありますが、危険な症状なので注意が必要です。このアメーバは川や沼、土壌や公園だけでなく水道水の中に含まれていることがあり、一般家庭の洗面所にも存在する可能性のあるものです。ソフトタイプのレンズは長期的に繰り返して利用することが想定された構造ではないため、何度も使ったり専用の洗浄液を使わずに水道水で洗うとレンズでアメーバが繁殖します。
ハードタイプは繰り返し利用できますが、こちらもこすり洗いが不十分なときに同じ状態になる恐れがあります。この状態のレンズを目に装着するとアメーバが角膜へ移り、角膜炎になる症状です。すぐに自覚症状を感じないことがあり、ゴロゴロとした違和感や目に強い痛みを感じて眼科に来院する頃には症状が進行している場合も多いです。特効薬が存在しないため、少しでも効果のある抗菌薬などを点眼し続けたり、角膜の表面を削って物理的に取り除くなどの治療になります。しかし、角膜に影響を与えて後遺症が残る懸念があり、安全な治療方法は確立されていません。前述したように適切ではない使い方が原因になるため、必ず使用方法を確認して厳守し、予防しましょう。